現在クラウンは4車種のシリーズ販売を行っており、クラウンセダン、クラウンクロスオーバー、クラウンスポーツ、そして先日発売されたクラウンエステートが存在します。
こちらの記事をご覧のあなたは種類が多くどれを選んだら良いかわからない!というお悩みをお持ちなのではないでしょうか。
今回はこの4車種を徹底解剖し、アナタにピッタリのクラウンを選ぶお手伝いをさせていただきます。
全シリーズの概要
前半ではクラウンシリーズの概要をまずはまとめていきます。
クラウンセダン
クラウンセダンは低く構えたロングボディで高級感と重厚感があります。また、最大の特徴でもあるFCEV(水素)のパワートレインを備えており、圧倒的な静寂性と燃費を誇ります。
クラウンクロスオーバー
クラウンクロスオーバーはセダンとSUVの中間と位置付けられているモデルとなっており、セダンのような走りを追求しつつSUVのような室内スペースを兼ね備えております。
クラウンスポーツ
クラウンスポーツはクーペフォルムのSUVとなっており、特徴としては低重心でワイドなボディで走行性能に全振りしたモデルとなっております。トレッド幅も非常に広く、その原動力となる2.5L直列4気筒エンジンをベースにPHEVモデルは300馬力を発揮します。
クラウンエステート
クラウンエステートはシリーズ屈指の車格を誇り、ステーションワゴンのフォルムを纏ったラグジュアリーSUVという位置づけとなっております。十分な室内スペースによって大人が複数人乗車したり、ゴルフバックを積んだりしても快適な走行を可能にします。
概要まとめ
モデル | 特徴 | 向いている人 |
クラウンセダン | 上質な走りと優れた燃費性能 | 2人乗車メインで静かな走りを求めるユーザー |
クラウンクロスオーバー | セダンの走りとSUVの利便性の良いとこ取り | アクティブ使いと快適性能を求めるユーザー |
クラウンスポーツ | 走行性能に全振り | 1~2人で運転するのがメインで軽快な走りを求めるユーザー |
クラウンエステート | 人も荷物もたくさん積めて、安定した走りを実現 | 3名以上の乗車と荷物を積載する想定のユーザー |
各シリーズの解説
次に、各モデルについて深堀していきます。
クラウンセダン

まずグレード展開ですが、セダンはHEVモデルとFCEVモデルの2種類があります。
価格はHEVが730万円、FCEVが830万円となっておりますが、この価格差以上に補助金を受けることができますので、現在の人気モデルは圧倒的にFCEVとなっております。
HEVのメリットとデメリット
HEVは何と言っても燃料が安定のガソリンという事もあり、不便をしない事をまずは言えるでしょう。そして、燃料タンクの容量は82Lなので、カタログ燃費で言うと14.4km/Lとすると、一度の給油で約1,200km走行が可能となります。また、最高出力は185psと、FCEVの174psを上回っております。
FCEVのメリットとデメリット
FCEVははやり水素ステーションの問題があります。都会では日常の生活圏に水素ステーションがあることが多いですが、地方になってくるとそうもいかないのが実情です。また、カタログ値で一度の水素充填での走行可能距離は820kmとなっており、820kmというと十分かと思われますが万が一補充が必要になったとき、近くに水素ステーションが無いことを考えると少し不安ですね。ただ良い点もあり、エンジンオイルの交換をする必要が無い事が挙げられます。
カラーは全6色設定があり、トヨタの伝統の黒202は今回は設定が無いようです。

このモデルの特徴は、やはりそのコンフォートな乗り味にあります。FCEVというパワートレインとこれまでのクラウンに注ぎ込まれた技術の推移が詰め込まれている分、運転者にとっても、後部座席に乗る方にとっても、特別な体験を提供してくれます。


そんなクラウン、やはりシートに関する機能は群を抜いており、様々な機能がついております。
代表的な機能について下記に記載します。
- 運転席&助手席8ウェイパワーシート
- マイコンプリセットドライビングポジションシステム
- パワーイージーアクセス
- シートヒーター
- シートベンチレーション
- リヤパワーシート(40/20/40分割リクライニング)
- 助手席可倒式ヘッドレスト
- 助手席肩口パワーシートスイッチ
- リフレッシュシート(後部座席)
- 降車時リクライニングサポート(後部座席)
ざっと挙げただけでもこれだけの機能が装備されております。またセダンだから収納は・・・と思われている方は必見です。ゴルフに出かけるために使用を想定している方も多いでしょう、ゴルフバックは9.5インチのゴルフバックがHEVが3個、FCEVが2個収納可能です。しかも、セダンには珍しく、足を車体下に出し入れするだけで、トランクが電動で開閉させる事もできるので、バッグを持ちながらの開閉を優雅に演出させることができます。
そして、最大の特徴でもある静寂性についてですが、トヨタ公式から一部引用し解説いたします。
▶プラットフォーム
重量物の配置で決まる前後配分や慣性モーメントを最適化し、旋回時や加速・減速時において自然で滑らかな車両挙動を実現。さらに軽量・高剛性ボディの採用やサスペンションの入念なチューニングなどにより、目線が動かされないフラットで優れた操縦安定性を確保しています。▶高剛性ボディ
高剛性化、軽量化、低振動化を叶えるために、結合剛性を高める「レーザースクリューウェルディング」や構造用接着剤の接着範囲拡大、そして主要骨格部材にアルミ材や超高張力鋼板を採用することで、合成強化と軽量化を両立。フロアには微振動を低減させる高減衰接着剤を使用することで、走行時の低振動化に寄与。リヤねじり剛性も確保。▶マルチリンクサスペンション
ハイマウントマルチリンク式(フロント)とローマウントマルチリンク式(リヤ)の各サスペンションを入念にチューニング。路面の細かな凹凸を足回りが滑らかにいなし、走り始めから揺れが伝わりにくい乗り味を実現します。さらに、ショックアブソーバーの減衰力を4輪独立で制御するAVSがさまざまな走行シーンで高いパフォーマンスを発揮します。▶クラウンの防音対策
振動・騒音を抑える高剛性ボディ、そしてドアや窓、フロアアンダーカバーから天井に至るまで、吸音、遮音、防音対策を徹底。ボディ細部にわたり、静寂性へのこだわりを惜しみなく投入することで、高速走行時でも会話がしやすく、ロングドライブでも騒音により疲労度が少ない静かな室内空間を実現しました。また、フロアアンダーカバーは空気抵抗を減らして燃費効率を高め、後続距離拡大に貢献しています。▶タイヤ&ホイールの静寂性
20インチにはロードノイズや砂はね音を低減する新開発タイヤを採用するとともに、リムの一部を中空にしてレゾネーター(共鳴式消音機)効果を持たせたノイズリダクションホイールを採用。タイヤ内の空洞共鳴音を抑えることで、さらなる静寂性を実現しています。▶アクティブノイズコントロール
引用:crown_main_202503.pdf
エンジンこもり音をスピーカーからの制御音で打ち消し、静寂性を向上させます。
上記のように、静寂性、上質な乗り心地に対し、ここまでやるか!というくらいの先進技術を投入していることがわかります。
また、FCEVについては、水素エンジンは1回の充填で、何km走れるのかが心配というお声が多くありますが、クラウンセダンの場合、参考値とはなりますが1回の充填で約820kmの走行が可能となっております。
そんなクラウンセダンですが、モデリスタからエアロの設定も出ています。

一番人気のフロントスポイラー、サイドスカート、リヤスパッツの3点セットが塗装済み状態で333,300円となっており、取り付け工賃も含めると40万円前後になります。
クラウンクロスオーバー

クラウンクロスオーバーは、今回ご紹介する4つのクラウンシリーズの中で、2022年に発売された第一弾のモデルです。伝統あるクラウンの高級感にSUVの要素を融合させた新しいスタイルに、上質な内装と最新の技術によって先進性を感じさせるモデルです。セダンとSUVのクロスオーバーという個性的なデザインは、クーペのような流麗なシルエットです。ハイブリッドやターボエンジンの選択肢により、静粛性とパワフルな走行性能を両立し、あらゆるシーンで快適なドライブを実現します。SUVらしい高いアイポイントによる良好な視界と、セダンならではの快適な乗り心地、そして乗り降りのしやすさも魅力のひとつです。
グレード展開は、ハイブリッドとターボを組み合わせた上級グレードのRS、ベースグレードのG、RSとGの中間に位置するZの3種類が存在し、特別仕様車として”THE 70th”と”THE LIMITED MATTE METAL”が存在します。
通常ラインナップのグレード毎に、簡単な装備の違いを記載いたします。
RS | Z | G | |
ホイール | 21インチ 切削光輝+ブラック | 21インチノイズリダクション | 19インチ |
ヘッドライト | 4眼LED | 4眼LED | 単眼プロジェクター |
ステアリング | 本革ステアリングヒーター・タッチセンサー・パドルシフト | 本革ステアリングヒーター・タッチセンサー | 本革ステアリング |
ディスプレイオーディオ | 12.3インチディスプレイオーディオPlus | 12.3インチディスプレイオーディオPlus | 12.3インチディスプレイオーディオ |
内装色 | 4色(ブラック、イエローブラウン、サドルタン、フロアマージュ) | 3色(ブラック、サドルタン、フロアマージュ) | 単色(合成皮革ハーフレザーシート) |
助手席肩口パワーシートスイッチ | 有り | 有り | 無し |
鍵 | マニュアルケース&クラウン専用デザインキー | スマートキー | スマートキー |
”THE LIMITED MATTE METAL”については、RSをベースとした特別仕様車となっており、下記の仕様変更が加えられます。

専用色としてマットメタルが設定されて、シートもスポーツシートになります。”THE 70th”との違いで言うと、こちらの方はクールでシックにまとめたようなイメージです。
”THE 70th”の仕様については下記のようになります。

こちらについてもスポーツシートであったり、専用キーが付いてきたりと仕様が豪華になりますが、バイトーンというルーフとその下のカラーが別というところが見た目で特に差別化できるポイントです。
グレード毎の価格は下記の通りです。
グレード | 車両本体価格 |
G | 5,150,000円 |
Z | 5,950,000円 |
RS | 6,700,000円 |
”THE LIMITED MATTE METAL” | 7,550,000円 |
”THE 70th” Z | 6,000,000円 |
”THE 70th” RS | 6,800,000円 |
走行性能については、正直この車はバケモノと言えるでしょう。他のクラウンシリーズと比べ、完全に振り切った272psという馬力と、460Nmという太いトルクは非常に大きな魅力となるでしょう。
走行性能に関しては下記にトヨタ公式から引用させていただきます。
▶︎2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム
最大トルク460N・mの2.4L直列4気筒ターボエンジンと、後輪に搭載したeAxleを組み合わせた新開発の「デュアルブーストハイブリッドシステム」をトヨタで初めて採用しました。アクセル操作に対する駆動力の遅れが少なく、トルクフルで伸びやかな加速により、爽快なドライビングフィールを実現。また、リズミカルで気持ちのいい変速感も持ち味です。▶︎2.4L直列4気筒ターボエンジン
高い加速応答性と十分な駆動力を持ち、ペダル操作に対して気持ちよく伸びる新開発デュアルブーストハイブリッド用2.4L直列4気筒ターボエンジン。TNGAエンジン技術をベースに、センター直噴システムと高効率ツインスクロールターボにより高い燃焼効率を実現する「D-4ST」、運転状態にあわせて最適な制御を実現する可変冷却システムなどを採用。優れた環境性能と低燃費でありながら、高トルクを生かした力強い伸び感のあるダイナミックな走りを実現しています。▶︎Direct Shift-6AT
ダイレクト感あふれる走りを目指した6ATです。アクセル操作に対する期待通りの車両応答が得られるようにする発進クラッチシステムや、走行シーン毎の適切なギヤ段選択とエンジンおよびモータートルクをきめ細やかに制御するパワートレーン統合制御を採用。アクセル操作に対して遅れのない加速と素早い変速を実現したことで、扱いやすさと走りの楽しさを追求しました。また、ドライバーが自由にギヤ段の選択・固定が可能なMモードを採用。マニュアル感覚の操作が楽しめます。
[パドルシフトはCROSSOVER RSに標準装備]
上記のように、最高の走りをもとめ、トヨタの”2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム”を採用し、システム合計の最高出力は349psとなります。
カスタムパーツについても、当然ラインナップが用意されております。

人気のモデリスタの費用は、約60万円程度となります。
また、クラウンクロスオーバーはGRもラインナップがあります。

こちらの費用は約40万円前後となります。
クラウンスポーツ

クラウンスポーツはパワー重視のクロスオーバーと違い、パワーに加え重心を低く構え、ワイドなフォルムによる安定した走行性能を実現しました。クロスオーバーよりも全高や車重自体も低く設計されているので、カーブや坂道などの場面でも軽快でクイックな走行をすることが可能です。
グレードはPHEVのRSと、HEVのZの2種類です。下記の表で簡単に性能について解説します。
RS(PHEV) | Z(HEV) | |
車両重量 | 2,030kg | 1,810kg |
燃費市街地モード(WLTC) | 17.5km/L | 19.1km/L |
エンジン馬力 | 177ps | 186ps |
システム最高出力 | 306ps | 234ps |
こうしてみると、PHEVのシステム最高出力が、重さや燃費の悪さと引き換えに得られる性能と言えるかと思います。
グレード毎の装備の違いや価格につきましては下記の表をご覧ください。
RS(PHEV) | Z(HEV) | |
車両本体価格(税込み) | 765万円 | 590万円 |
ホイール | 21インチマットブラック | 21インチグロスブラック |
ステアリング | パドルシフト有り | パドルシフト無し |
シフトノブ | ディンプル加工本革 | 本革 |
シート表皮 | 黒本革/赤スティッチ | ブラックorサンドブラウン |
助手席肩口スイッチ | 無し | 有り |
キー | クラウン専用キー | スマートキー |
175万円というシステムの違い以外でもこれだけの装備に違いがあります。中でもパドルシフトは運転を喜びとするユーザーには必須アイテムになるかと思います。
また、現在クラウンスポーツには特別仕様として “THE LIMITED-MATTE METAL”が設定されており、大きな特徴としては、専用設定のマットメタル(1M1)のボディカラーになります。グレードはRSをベースとしており、車両本体価格は820万円となっております。

特殊表面処理[TMコート]
特別設定色マットメタル<1M1>の最表面には、マット塗装のお手入れを楽にする特殊表面処理[TMコート]を採用。匠の技術で、薄膜かつ均一に仕上げました。マットの外観に影響を与えることなく、持久力のある防汚性と汚れ除去性を実現しています。
カスタムパーツとしては、モデリスタからエアロパーツがでており、人気のフロントスポイラー、サイドスカート、リヤスパッツの3点セットが工賃込みで約35万円程となります。

クラウンエステート

「大人のアクティブキャビン」をコンセプトに開発されたクラウンエステートは全長4,930mm、全幅1,880mm、全高1,620mmの堂々たるボディサイズが、クラウンシリーズの品格と存在感を引き立てます。また、多彩なボディカラーが用意されており、PHEV専用色の「グレイッシュブルー」は、これまでに無いクラウンのイメージを提供するボディカラーだと言えます。
クラウンスポーツやクロスオーバーのようなシリーズの中での秀でた走行性能はありませんが、2.5Lプラグインハイブリッドシステムが持たらす、システム最高出力306psをもとに、複数乗車&積載時にどんな道でもグイグイと走り進めてくれる1台です。
RS(PHEV) | Z(HEV) | |
車両重量 | 2,080kg | 1,890kg |
燃費市街地モード(WLTC) | 17.2km/L | 16.4km/L |
エンジン馬力 | 177ps | 190ps |
システム最高出力 | 306ps | 243ps |
クラウンスポーツと基本性能に近い部分はありますが、やはり車重が重い分、モサっと感は否めないです。
グレード毎の装備の違いや価格につきましては下記の表をご覧ください。
RS(PHEV) | Z(HEV) | |
車両本体価格(税込み) | 810万円 | 635万円 |
ホイール | 21インチマットブラック&エアロホイールカバー | 21インチダークグレーメタリック&センターオーナメント |
ステアリング | ディンプル加工本革巻き | 本革巻き |
内装色 | グレイシュブルー(雲柄) | ブラックorサドルタン(雲柄) |
シート表皮 | 本革黒 | 本革黒orサドルタン(雲柄) |
キー | クラウン専用キー | スマートキー |
ボディカラーについては豊富なラインナップが取り揃えられており、バイトーンを含めると全10種類のカラーがあります。

モデリスタについては、モデルデビュー当初から設定があり、例によって売れ筋になるのは王道の3点セットになるかと思われます。

フロントスポイラー、サイドスカート、リヤスパッツの3点セットが工賃も含めて約35万円程度になると思われます。
最後のまとめ
いかがでしたでしょうか。クラウンシリーズ4車種をまとめて解説いたしました。それぞれのモデルに特徴があり、それでいてクラウンがこれまで培ってきた精神も引き継いで独自の進化を遂げていることがよくお分かりいただけたかと思います。
これからクラウンを検討される皆様のお手伝いができたとなれば幸いです。これからも追加情報がありましたら随時追加してまいります。
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